鹿児島市街地から郡山地域への入り口に位置する南方校区は、史跡に恵まれた田園風景が広がるのどかな地域。その中心にあるのは、MBCラジオ「わたしたちの作文」でおなじみの南方小学校。昭和58年度から25年間連続で優秀学校賞を受賞しています。「これを地域の方も誇りに感じてくださっていてうれしい」とは、中原美和子校長です。
学校にはこの季節、6本の大きな銀杏(いちょう)の木が金色に輝く枝を広げています。青空が広がった秋の一日には、全校児童が銀杏の木の下で昼食を楽しみました。運動会の際は地域の人も手を貸して銀杏の実を拾い、PTA資金となっているといいます。
「地域の結束力がとても強い」と話すのは校区公民館運営審議会委員長の南節夫さん。住まいの東秀地区では、行政に頼らないまちづくりとして知られる鹿屋市の柳谷集落を視察したことから刺激を受け、休耕地を自治会で利用し、米作りを始めました。
これを校区の子どもたちにも体験させたいと、土地の一部を提供して指導。田植えや除草を経て、先ごろ収穫を終えたばかりです。
「集まるたびに地域の方が赤飯のおにぎりやつけ揚げ、卵焼きなどを手作りしてくださり、子どもたちは大喜びでした」と校長。「子どもたちが来るから」と準備をする姿は、地域の子どもを宝のように育む優しさに溢れます。
校区在住の昭和37年アジア大会棒高跳び金メダリストをはじめ、みそや陶芸を手掛ける人たちが来校して、子どもたちへ夢を伝えてくれることもあるそう。
また、校区運営審議会では、地域に数多く残る史跡巡りや、三重岳登山、グラウンドゴルフ大会などを開催。子どもの行事には家族ぐるみで参加する人が多く、小学生だけでなく、中学生を含む親子連れの参加もあるのだとか。
小学校には、大正時代の第8代上之覚蔵校長が「南方魂」として残した「至誠一貫 喜び勇んでことをなし 最後まで頑張る」「もてる力あり その力こそ のばさんものぞ 南方」の言葉が、今も校訓として掲げられています。
「この南方魂は、小学校だけでなく地域の人たちにもすっかり浸透しています」と南さん。“よろこび勇んでことをなす”の言葉に、長い年月をかけて地域で醸成してきた温かい力強さを感じました。

