緑豊かな旧松元町の中にあって、茶づくりが盛んな東昌校区。毎年アオバズクが子育てにやってくるという小学校は、全校児童69人。豊かな自然に囲まれた小規模校特別認可制度開設校です。
「〝松元っ子〟と呼べるように、地域に育てられていて、素直でかわいらしい子どもたちですよ」と児童を見守るのは田村修司教頭。ここではPTAと地域とが一体となっている様子が顕著です。「東昌では代々専門部長もすべてお父さん。ですから親父の会も必要ないんです」とはPTA会長の脇光弘さん。母親だけでなく父親も協力的です。
自然に囲まれてはいるものの、今の子どもたちは放っておいて自然に親しめるわけではありません。校区公民館では毎年、霧島登山を企画。高千穂峰を、目指しますが、小学生だけでなく、中学生や幼児の参加もあるそう。地域では4年生以上による「森と文化の少年団」を結成していて、古い歴史を持つ東昌寺跡の墓地の掃除や入佐の伝統芸能の棒おどりを行うなど、さまざまな体験を重ねています。
夏休みの教育キャンプも子どもたちが楽しみにしている行事の一つ。全学年が学校に集ってテントを張り、竈(かまど)をしつらえて食事作り。花火やキャンプファイアーにも興じます。親たちは出したくなる手をぐっとこらえて子どもたちを応援。夜は交替で番をするのだとか。
文化的な活動として行われるのが、「読書フェスティバル」。子どもたちが紙芝居をしたり、父親が舞台装置を手がけ、母親らのオリジナル脚本による人形劇やタングラムなどを披露。大人も子どもも一緒になって本の世界を楽しみます。
鹿児島市との合併により、自治会の枠組みが校区へ広がり、とまどいが見られた時期もあった東昌校区。しかし、今年から小学校の運動会と合同で地域の運動会を開催。学校敷地内には校区公民館も建設される運びです。地域それぞれの特色は残しつつ、広く子どもたちに伝えたいものもたくさんあるよう。
「地域の活動は自然体が一番。子どもたちに今しかできないこと、思い出に残ることをたくさん体験させてやりたい」と脇さん。子を思う親心の集まりが、地域の力となっているようでした。

