目の前に錦江湾、背には緑の山々と風光明美な地に建つ平川小学校。106年の歴史を持つ全校児童52人の小さな学校です。
「地域と学校が密接で、合同の行事がほとんどです」と話すのは、長年地域活動に取り組んでいる鬼丸憲夫校区公民館運営審議会委員長。
呼応するように「地域の子は地域で育てるという地域の教育力が残されている」とは松尾正昭教頭。「小学校では“海に学び、海とともに生きる平川の子”をテーマに掲げていますが、地域の協力なしには成りたたない」そう。ヨット体験やヒラメの放流、青ノリ摘み、魚釣りなど、海にかかわる学校行事はすべて地域住民が手ほどき。
中でも錦江湾遠泳大会は圧巻です。5、6年生が2・の遠泳に挑戦しますが、地域住民が船を出したり応援に駆けつけるほか、錦江湾高校水泳部も一緒に泳ぐなど手助け。途中であきらめそうになる子どもを励ましながら、全員が泳ぎきる様には皆感動するそう。教頭も「地域のおかげで、子どもたちに優しさだけでなく、厳しさも教えられてありがたい」と話します。
そのほか、運動会も小学校と校区運動会が合同で開催。小学校校庭で行われる夏祭りも、準備から後片付けまで地域住民総出で行います。今年は老健施設のお年よりにも参加してもらい、車いすながら一緒に踊りを踊るなど楽しい祭りとなりました。
普段の小学校の校庭には小学生だけでなく、小さい子や中学生が遊ぶ姿も見られます。小学校を核に皆が協力し合う昔ながらの地域の暮らしがここに。ほかから移り住んだ人もこの輪の中に喜んで参加するといいますから、楽しく活動する雰囲気に満ちているのでしょう。
「子どもたちが大人になったときに地域を盛り立ててくれるよう、私たちが見本をみせ、子どもたちには思い出を作ってやりたい」と鬼丸さん。大人たちの姿を見て育つためか、中学、高校と進学する子どもたちもさまざまな場で積極的に活躍しているそう。
各行事に住民がこぞって集う様に「みんなが力を合わせていけるというのが地域力でしょう。40、50代にリーダーがたくさんいて、何でも任せられる」と鬼丸さん。代々の努力で、地域力がしっかりと受け継がれている平川校区です。

