荒田1・2丁目、高麗町の3つの町内会からなる荒田校区は、交通の便の良さ、商業施設とのほど良い距離感、そして静かな住環境で、子育て世代にも、壮年世代にも「住みたいまち」として人気のエリアです。
また、幕末維新に活躍した多くの名士を輩出した地域としても有名で、甲南中(旧荒田小)の校門横に建っている「三方限(さんぽうぎり)出身名士顕彰碑」にも記されています。身近な偉人と言えば、薩摩藩の命を受けて13歳でイギリスに渡り、後にアメリカで「ブドウ王」と呼ばれるまでになった長沢鼎(ながさわかなえ)もまたその一人。彼の功績を記念して、約20年前にカリフォルニアから縁の地に送られた「ナガサワブドウ」が小学校に植えられています。
「偉人が近所に住んでいたということは、そうそうないことです。こうしたことをきっかけにして、地域にも歴史にも興味も持ちますし、何より子どもたちにとっては、校区の自慢なのではないでしょうか」と、同小学校教頭の石元優子さんは言います。
もう一つ、同校の自慢を教えてもらいました。体育や総合的な学習の時間にも取り組むなど、荒田っ子はカヌー好き。毎年5月には「カヌー同好会」が結成されるほど。楽しむだけではなく、同好会のメンバーは夏の間中、プールや海で練習を重ね、往復8キロの錦江湾横断を目指します。ひと夏にグンとたくましくなる子どもたちを保護者、教員、OBが見守っているそう。
県外から移り住む人も多く、転勤などで人の入れ替わりもある荒田校区。だからこそ親睦を深め、住みやすい街にしたいと、地域の行事も盛んです。例えば七夕会、しめ縄作り、もちつき大会、はま投げ大会など、伝統の行事や昔の遊びの伝承も幼児から大人までの世代間のふれあいを通して大切にされています。
荒田地区民生委員児童委員の中山和子さんは、「子どもの生きる力や思いやりの心を育むために、行事を通して、多くのお年寄りが語りかけているんですよ」と話します。また、「地域に出て、知り合いになることで助け合える場面が増える」と、子育て真っ最中の若いお母さんたちの集う「子育て支援サロン」と、先輩ママの集まる家庭教育学級とを託児ボランティアで結び、連携が図れる工夫もしています。遠い昔の偉人に学び、地域に住む先輩たちに学ぶ。ふれあいを通して、先人に学ぶ荒田校区です。

